電子書籍の衝撃 佐々木 俊尚さんの書かれた本です。
電子書籍関連は技術的な側面やメーカーの取り組みはだいたい押さえていたのですが、この本では出版社や取り次ぎにまで書かれています。
数年前の電子書籍黎明期には電子書籍が日本の出版文化をダメにするとか若者の活字離れ問題など、いろいろ言われてきました。事実出版社や取り次ぎさんの非協力によりSONYの電子書籍リーダーなどが事業失敗しています。
それに対してまっこうから反論。そもそも守るべき出版文化など今の金儲け主義の出版会に存在するのか?とか若者はむしろ活字に触れる機会が多くなっているとか。特に日本の取り次ぎさんの歴史的背景の説明はとても興味深かったです。
佐々木 俊尚さんが言われる通り現在の出版・本屋さんはどこに行っても売れる本をPOSデータで均等に割った同じ品揃えです。これでは差がつきませんし売れそうな本を自転車操業的に作っていかざるを得ないのもうなずけます。
しかし自転車操業だといずれは破綻するは明らかで、現在はまさに破綻に向かっている最中なのでしょう。こうなると以前は協力しなかった電子書籍にもAppleやAmazonの黒船から守るために日本の電子書籍にすがりつく状況もわかります。
しかし現状はだれがみてもユーザ不在。出版社が自分だけを守るために動いている感じは否めません。そこにメーカーさんやWEB屋さんが金を儲けるためだけに協力している。そんな感じがします。ユーザはだれもそんな事望んでいません。ただ良い本が読みたいだけです。
さて、われわれはあわてる事無く大手は勝手に遊んでてもらっている間に自分たちの進むべき道を探さないと行けません。幸い弊社がお仕事をいただいている出版者さんは大きくはないですが、コツコツと良い本を作るために努力されています。できれば一緒に新しく楽しい電子書籍を作ることができればと思います。
私の中では電子書籍はタブレットPCでも専用リーダでもなくスマートフォンです。そして販売はプラットフォームに頼っても30%取られるだけなので、自社HPでしっかり宣伝して自社販売。
ですのでHTML5を使った電子書籍ならではの特性を生かしたものを作ってみたいと夢を広げています。