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往来同書店

先日のPAGE2011で東京出張させてもらったのですが、電子書籍の衝撃と言う本に掲載されていた往来同書店へ行ってみました。本屋さん業界ではかなり有名なお店だそうです。

http://www.ohraido.com/

場所は西日暮里から千代田線に乗り換えて千駄木駅。そこから徒歩5分。閑静な住宅地といったところに、ありました。
店舗の大きさは町の小さな本屋さんと行った感じ。そんな20坪の小さな本屋さんなのですが普通の本屋さんの常識を覆すスゴイ本屋さんなのです。
なにがすごいかというと棚作り。ぱっと見た感じはわかりませんが、入って本を選んでみると素人の私でもこの本屋さんの棚は違うことがわかります。
その日は電子書籍関連の本が置いてある棚が目につきました。そこでeBookジャーナルとかあるなと見ていたら、横にはFaceBookのムック本。FaceBookもいちおうアカウントは作ったものの使いこなせていないので購入。その棚の下を見るとApple vs Googleとかスティーブ・ジョブス関連の本。iPhone、iPadと読んでみたい本が次から次へと目に飛び込んできます。
文庫本ベスト10のコーナーではアマゾンの潜入ルポなんかがあって、これはおもしろそうと購入したのですが、なぜか近くには子育て系で、いまの僕にぴったりの子供の育て方みたいな本が目に飛び込んできます。(それも購入)

往来同書店は普通の本屋さんと違って読みたい本ばっかり目に飛び込んでくるのです。
普通の本屋さんはPOSが選んだ売れる本を本屋のサイズや立地に応じて自動的に配本されたのを並べただけ。どこの本屋さんでも大きいか小さいかだけでそう変わりません。
往来同書店の棚作りは、文庫本とかハードカバーとか出版社とかのカテゴリーは無くて、すべて興味カテゴリーです。だからお酒本コーナーにはマンガの美味しんぼが並んでいます。

この往来同書店さんの棚作りは生半可な本の知識ではできないらしく。マネするのは難しいそうです。店員さんもまめにずっと棚をさわっています。そして週間の往来堂新聞もありました。
このすばらしい本屋さん、見習いところがいっぱいあります。
現在のメーカー主導でユーザー不在の電子書籍ブーム。そういうただ電子書籍を作ればいいというものではないという事。本とは何か、本を買うという事はどういう事か?僕はどういう本を望んでいるのか?いろいろ考えさせられた本屋さんでした。

2011/02/01
Adobe Digital Publishing フォーラム2011
がイマイチ盛り上がらなかった事について
http://adobe-digipub.jp/index.html

USTで参加しました。

「電子書籍の新フォーマット、日本語対応EPUB3.0の詳細解説国際大学フェロー村田 真氏」でEPUB3.0の今後のスケジュールなどがわかったのは良かったが、縦組みの見本では文字間が四分空いてて、圏点もブサイク。仕様が決まっても実装するにはまだまだ大変そうな、ちょっとイマイチな感じだった。
制定に関しての献身的なご活動には本当に頭が下がる思い。これは素晴らしく感じた。

Adobe Digital Publishing Suiteの内容については月額699ドルの料金がどの部分にかかるのか詳しく聞きたかったがそういう解説はなく、実践的な作り方を知りたい人には休憩中のちょっとしたデモしかなかった。「ワクワクする電子書籍 株式会社G2010 代表取締役社長 船山 浩平氏」が作成された村上龍氏の『歌うクジラ』の電子書籍は素晴らしかったが、制作秘話的な話で、なんというかもっと突っ込んだ話が聞きたかった。料金の配分や制作人件費が7人月ぐらいという情報は考えさせられる。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1011/04/news100.html

結局あんまり盛り上がった感じがしなかったのだが、おそらく電子書籍をインデザインで作ろうとするのはそもそも間違ってるんじゃないかとも思う。インタラクティブならFlashのほうが優れているし、EPUBならDWいやむしろSigilやテキストエディタか。今後専用ソフトが出るだろうと思う。
Adobe Digital Publishing SuiteはInDesign使いが電子書籍を作ろうとすると敷居も低いが、結局インタラクティブ電子書籍が一昔前のCD-ROMでのマルチメディアと言われていたDirecterで作成されたものに近くなるのなら、やはりDirecterやFlashのほうが向いているんだろうと思うし、FLASH iPhoneコンバーターなんかが登場するのではないかと思う。(FLASHをiPhoneにはどうやっても無理なんだろうか?)
またAdobe Digital Publishing Suiteで作られた電子書籍を配信しようとすればAdobeに$699らしい。日本での価格は不明だが有料でしかもけっこう高額になったことでAdobeが電子書籍プラットフォームの決定版にはならなくなってきた。今後Googleあたりからなんか出てくるんだろうと思う。

ついでに言うとAppleのiPhoneやiPad縛りはやめておいたほうが良い。売れたコンテンツの30%をAppleに支払うのは馬鹿げているし、突然の仕様変更もあるのでリスクも高い。アンドロイドが急成長している状態でこの状態が長く続くとも思えない。

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電子書籍の衝撃 佐々木 俊尚さんの書かれた本です。
電子書籍関連は技術的な側面やメーカーの取り組みはだいたい押さえていたのですが、この本では出版社や取り次ぎにまで書かれています。
数年前の電子書籍黎明期には電子書籍が日本の出版文化をダメにするとか若者の活字離れ問題など、いろいろ言われてきました。事実出版社や取り次ぎさんの非協力によりSONYの電子書籍リーダーなどが事業失敗しています。
それに対してまっこうから反論。そもそも守るべき出版文化など今の金儲け主義の出版会に存在するのか?とか若者はむしろ活字に触れる機会が多くなっているとか。特に日本の取り次ぎさんの歴史的背景の説明はとても興味深かったです。
佐々木 俊尚さんが言われる通り現在の出版・本屋さんはどこに行っても売れる本をPOSデータで均等に割った同じ品揃えです。これでは差がつきませんし売れそうな本を自転車操業的に作っていかざるを得ないのもうなずけます。
しかし自転車操業だといずれは破綻するは明らかで、現在はまさに破綻に向かっている最中なのでしょう。こうなると以前は協力しなかった電子書籍にもAppleやAmazonの黒船から守るために日本の電子書籍にすがりつく状況もわかります。
しかし現状はだれがみてもユーザ不在。出版社が自分だけを守るために動いている感じは否めません。そこにメーカーさんやWEB屋さんが金を儲けるためだけに協力している。そんな感じがします。ユーザはだれもそんな事望んでいません。ただ良い本が読みたいだけです。
さて、われわれはあわてる事無く大手は勝手に遊んでてもらっている間に自分たちの進むべき道を探さないと行けません。幸い弊社がお仕事をいただいている出版者さんは大きくはないですが、コツコツと良い本を作るために努力されています。できれば一緒に新しく楽しい電子書籍を作ることができればと思います。
私の中では電子書籍はタブレットPCでも専用リーダでもなくスマートフォンです。そして販売はプラットフォームに頼っても30%取られるだけなので、自社HPでしっかり宣伝して自社販売。
ですのでHTML5を使った電子書籍ならではの特性を生かしたものを作ってみたいと夢を広げています。

7/24日 大阪DTPの勉強部屋電子書籍勉強会でお話させていただきます。

ePubを少々いじって実験とかしていたのでパネラーとして招待されたのですが、だんだんDRMに興味が出てきてPDFに認証をかけるDEMOをさせていただきます。(そのかわりePubは勉強不足だ)


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 セキュリティ 
PDFに認証をかけて違法コピー出来ないようにする仕組みが いくつかのベンダーさんから提供されていますが、 もう少し簡単なものを試験的に作ってみました。 
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内容としては
PDFに簡易DRMをしてみる

iPad用に本棚をHTML5で作る

あたりの話をしたいと思います。自分の中ではiBookStoreやAppStoreをはじめ、その他同様のサービスを使って販売するより、自前でなんとか出来ないかを考えています。興味のある方は、ぜひご参加ください。特に出版系の方はいろいろご意見を聞かせていただけるとありがたいです。

東京国際ブックフェア

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東京国際ブックフェアのデジタルパブリッシングフェア見てきました。なかなかおもしろかったのですが、InDesignのプラグインとか、XML=>ePubとかその手の技術的な情報が少なかったのが残念。

大日本をはじめ、どこかしこも判で押したようにWEB上で電子書籍販売のお店を開いているのに驚き。そしてどこでも売り上げの30%。どこもがAppleのiBookstoreにもっていかれる前に自社で本を出してね。って、そんな感じです。

そんな中GoogleがGoogleブックスを発表。
今は本が検索にひっかかるという状態ですが、そのうち販売もするそうです。
なによりもPDFか本を送れば勝手に電子化してくれるので出版社さんは楽です。

くわしくは「印刷どーなる?」で
http://www.gorilog.net/print/archives/120#more-120

いずれにせよ、かなり混とんとしています。出版社さんにとってはどれを選べばいいんだよ。いいかげんにしてくれよって感じでしょうか?

そういう意味で出版社さんが自前でサイト立ち上げて販売できる提案がひとつも無かったのはさびしく思いました。DRMを自前で何とか出来ればできるんですけどね。
iPhoneやiPodなどのスマートフォンだけが(オンライン)見れるMy本棚みたいなのは比較的簡単にできます。あとPCではアイドックのASPサービス「Keyring」なんかは良いのではないでしょうか?(ちょっと高いけど)

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